退職金の未払いによる労働基準監督署の見解と経営者のリスクについて

経営者のリスク

会社の生涯雇用の制度はなくなりつつありますが、「退職金の未払いによるトラブル」は、増えつつあります。「退職金の意味」や「労働基準監督署の見解」について経営者が考えなければならないリスクについて説明していきましょう。

■退職金の意味とは?

退職金は、長年会社に貢献してくれた慰労金の意味合いが強く、労働組合によって会社との争議によって決定されたり、過去の慣習によるものも少なくありません。また、賃金の一部から積み立てられるものとしての解釈もあるようです。

退職金は労働基準局によって定められているわけではありませんが、「会社の就業規則」として「退職金の支払い」についてのルールを届ける必要があります。(10名以上の従業員の会社など)

■退職金の未払いは何故おこるの?

労働基準監督署の見解として「会社の就業規則」として「退職金の支払い」について提出するように提示しています。例え退職金の未払いがあっても、行政の指導はあっても民事不介入の立場を国としてとることになるでしょう。だからと言って、「退職金の支払い」があっていいわけではないのです。

労働基準監督署は労働基準法に沿った見解を示してくれることがあっても、問題の解決を行ってはくれませんが、労働基準監督署の指導があった場合には、公に知られることになってしまって会社としての評価をおとしめる事につながってしまいます。

■退職金制度の理解や見直し

退職金は義務や法律に定められたものではありませんが、会社としての立場や見解を就業規則によって示すことが重要になってきます。ただし、あまり極端な会社寄りの規則は、今後の会社の発展に対して影響を及ばしかねません。

また、過去に退職金の事例があった場合には、民事裁判によって支払い命令が出されていますので、経営者としてのリスクを考えるならば、「退職金制度の理解や見直し」については、慎重な回答が必要であると思います。

■退職金制度は退職の理由にも規定がある?

会社としては、退職金に対して「支払いの用意」があったとしても、規則違反や犯罪を犯してしまって、会社に対して著しくダメージを与える行為には、退職金制度の規定を設けるべきであり、経営者としてのリスクだけでなく、会社としてのリスクでもあります。「懲戒解雇=クビ」や「懲戒解雇」に準じる規定は必要でしょう。

会社の都合による解雇は、民事裁判でも不利益を生じる場合があるので、退職者への補償はあってしかるべきでしょう。また、「円満退職ではない」からと言って会社として退職金の不払いがあってはならなでしょう。退職金制度では、会社としての立場だけで職金の不払いがあってはならないのです。

■退職金の減額には理由の正当性をもとめるべき

会社の経営状況によっては、退職金が出るだけでありがたいのですが、そのことを会社側が強制したり理解を得ずに実行してしまえばトラブルのもとです。従業員は一番の理解者としてかんがえるべきでしょう。従業員の同意を得られれば減額することも可能になります。

退職金制度は今後の従業員の生活を左右するものであります。経営者としてのリスクとして考えるのであれば、目先の資金の損益よりも、会社が従業員の信頼を得られるのかが重要な問題となってくるので、やめていく従業員に向けてというよりも今活躍している従業員に対する立場として考えていくことが望まれます。