【雇われ社長】が考えるべき「リスクの優先度」

経営者のリスク

【雇われ社長】には、数々の困難に立ち向かわなければなりません。それに対するリスクの優先度についてあらかじめベースとなるものを、自分の中で決めておけば、【雇われ社長】としての立場を維持できるのではないでしょうか。今回は、【雇われ社長】が考えるべき「リスクの優先度」について紹介していきます。

■リスクの予測と対策

【雇われ社長】はリスクが起こる前に予測を立ててその事に対処しなければなりません。リスクの種類を把握することで対策が出来るということです。

◎業績不振のリスク
会社の業績が悪化した場合には、【雇われ社長】の責任を問われることになります。会社を支える株主に対しての説明責任や、経費を削減したり、減給によって実質的に示すこと、リストラなどの改善策への方向性を示したりします。その為の社員や家族に対する対応も考えなければなりません。【雇われ社長】は最終的に、オーナーによって解任されることにもなります。

◎訴訟問題のリスク
訴訟問題が起こった場合には、会社を代表して【雇われ社長】が不正やトラブルに対しての対象になります。また、社内における「パワーハラスメント」や「セクシャルハラスメント」は、受け止める側の感情に左右されがちですが、最終的には【雇われ社長】の決断が問題の対象となってしまいます。

◎連帯保証人のリスク
主に会社の運営上の資金融資に対しての連帯保証人になることが【雇われ社長】の責務ですが、経営状態の悪化や返済の遅れに対して連帯保証人としては、債務者となってしまいます。倒産した場合には資金の返済額は多大なものとして認識すべきです。

◎退職あるいは解雇ノリスク
【雇われ社長】は、「労働基準法の適用」にあたらない為に、残業や休日出勤でも法律の保護をうけることができません。退職した場合には、失業保険が適用されません。解雇された場合には、その後の生活の保障がないのです。

■リスクの軽減

会社の事業でのリスクの割り出しによって、改善策を常に用意しておくべきです。事故や事件に対する予防策を過去の経験から導いて、対処方法を用意しておきます。完全な解決に至らないまでもリスクの備えで軽減に導くことができます。

例えば物品の取引では倉庫の管理や移動におけるリスクが想定されます。工場においては、火事や地震に対する対策や、工場内での危険予測など、リスクは各分野においても予測できるので対策によるリスクを減らすべきでしょう。

■リスクの移行

訴訟問題や資金調達の保証人責任など、【雇われ社長】は、リスク回避の為の保険に加入しておくべきでしょう。訴訟による裁判や、融資の保証人においての債務者となった場合の、自分や家族の為に、リスクを保険によって移行すれば、全責任の回避は困難であってもリスクの軽減につながることです。

■リスクを受け止める

場合によっては、リスク自体を受け止めて容認する場合もあります。リスクの大きさにもよりますが、何も行動しないでも事態をやり過ごすことや、あえて事態の収拾を行わない事も経営の手法として存在します。勿論、リスクの優先度は低いことが前提です。また、リスクの経過を見て対処する方法もありますが、早めの対策はひつようでしょう。

【雇われ社長】が考えるべき「リスクの優先度」については、それぞれの会社によって対応が異なりますので基本的な意味合いでまとめてみました。【雇われ社長】は常にリスクと向き合う事が必要なのです。