経営者であれば「数字」と会話しなければいけない

経営者のリスク

極端かもしれないが、経営者であれば「数字」と友達関係にならなければならない。それ以上に手と足のように扱えれば経営の船長として舵取りはバッチリだ。数字から方向性が分かれば目的地までの経路を考えることができる。今回は、経営者として数字と会話をし「友達」になることからはじめていく。

■経営者は数字が生命線であること認識すべし

経営者であれば、数字が「生命線」であることを認識しておかなければいけない。この命を他人に預けているようでは「経営者として失格」とまでいう人もいる。例えば、船長が船員の指示で動いているのは頼りのないものである。

経営者は会社のビジョンを持つことには長けているのだが、数字に弱いという人が多くいることは問題ということだ。経理に任していると得意げにいう人もいるが、東京から沖縄まで経路も分からずボートを漕いでいくくらい「無責任」なことだ。

経営者はクリエイティブなことを考えるだけではなく、生命線といえる「数字」に熱意がなくてはいけない。

■財務3表を読めることが基本である

もし、経営者でこれから数字に強くなっていくと考えているのであれば、財務諸表「財務3表」を読めるようになることと、決算書を制覇することだ。

主に、

・損益計算書
・貸借対照表
・キャッシュ・フロー計算書

となるのだが、財務3表が読めるということ=「会社が行っている活動の一連の流れが分かる」つまり、自分の会社で何が起こっているのかを理解することが可能なのだ。

経営者の仕事は「舵取り」だ。事業全体の流れを把握し、効率よく運営していくことなのだから「お金」のコントロールをして、船が岩に衝突するリスクを避ける必要がある。

財務3表を理解することは、経営を理解(自社を理解)することであると同時に、他社を把握することでもある。さらに、お金以外(マーケティング、クリエイティブ、メガトレンド、ブランディング)を織り込むことで「経営戦略」を構築できる。

■数字の本質を見抜けば、会話ができる

数字はそんなに大切なものなのかと目から鱗が落ちて、財務3表を漠然と眺めていても突然閃くものでもない。最終的な結果が見えているのだから、その過程を想像できるくらいの力「数字と会話ができる力」が必要になる。

数字と会話といっても変態になれということではなく、その数字を意味していることが分かればいい。はじめは専門用語が多く、どこを見て判断すればいいのか分からないはずだ。

だが、どの専門用語も長い意味を身近くしただけであるので、慣れてしまえば「なるほどね」と会話ができる。さらに、表計算は小学生なみの算数であり「単なる引き算」といってもいい。

どのような数字であるのか正体が見えれば、数字とのやり取りは比較的簡単なのだ。