資産運用に関することわざで「卵は一つのかごに盛るな」という言葉があります。これはもし一つのかごにすべて盛っていたらすべての卵が割れてしまいますがいくつかのかごに分けて盛っていたら一つのかごを落としても全てが割れるというリスクは避けられる事を意味しています。これは投資や会社の経営においても同じ事が言えリスクを分散させる事でリスクを軽減する事ができるのです。
【企業を取り巻くリスク】
企業においてリスクとは損失の起こる不確実性の事を言います。例えば、工場が火災で焼失した場合に企業の生産活動は停止し操業停止の危機というリスクが発生します。また規制緩和や強化、消費者のニーズの多様化等により企業の利益は大きく影響を受けます。このように現在経営が順調な企業であっても今後事業の縮小や倒産などのリスクを常に抱えている事を忘れてはいけません。特に経営者の方はリスクというものは突発的に発生しその大きさも甚大になる場合がある事を理解しておきましょう。
【リスクの軽減のために】
リスクを軽減する為にはいくつかの方法があります。
資産の分散
会社などの資金を全て一つの銀行などに預けたり、すべてを投資するのではなく色々な金融機関に分散して預ける事で金融機関の倒産などのリスクに備える事ができます。また資産投資をする場合も全て投資せず様々な種類のものに分散するとリスクも分散されます。
時間の分散
一度に全額を運用するのではなく何度かに分けて行ったり、毎月一定額を運用し、時間の分散をすることでリスクを小さくすることができます。
【リスクの軽減の種類】
リスクの軽減には大きく分けて損失の予防と低減の2種類があります。それぞれについてみてみましょう。
(損失の予防)
損失の頻度を減少あるいは排除する事を目的にして、損失発生の原因に結びつく要因を減少させ排除します。例えば、地震や火災に備え建物を耐火耐震構造にする事や、盗難予防の為に入室退室の管理や戸締りを厳重にするなどがあります。
(損失の低減)
損失の強度を減少させることを目的とし、損失発生、拡大要因の危険状態の排除を行います。例えば火災や地震、事故などに対してスプリンクラーや火災報知機の設置をしたり、消火設備の充実を図る事が挙げられます。また事故発生後の救助活動の策定や、クレーム処理体制の整備などもあります。
【まとめ】
このように企業に対するリスクはいつ、どこで起こるかわかりません。その為にも私達は常に備えや予防体制を惜しまず、最小のコストで最大のリスク回避を行う努力をしなければいけません。また時代の変化とともにリスクも変わってきますので新しいリスクに対応できる体制作りも必要になってくるでしょう。