会社の経営者でも確定申告が必要な場合とは

経営者のリスク

サラリーマンなどは、年末調整がある為に、基本的には確定申告は不要となっています。では、会社の経営者はどうでしょう。社長や経営者も会社から給料をもらっているので、年末調整によって所得税や住民税の支払いを行っています。ただし、条件に該当する場合には確定申告を必要となる場合があります。

■確定申告が必要な経営者とは

以下の条件に該当する場合には確定申告が必要

(1)経営者(または役員)の給与の収入金額が2,000万円を超える場合が該当します。経営者(または役員)の給与は、一般の社員よりも高い報酬が見込めるので、確定申告の可能性が多いでしょう。

(2)経営者(または役員)が給与以外の不動産所得など、各種所得金額(退職所得を除く)の合計額が20万円を超える場合が該当します。

(3)経営者(または役員)が、給与を2か所以上から受けている場合が該当します。 複数の会社から給与を受けている場合は、メインとなる会社では、「税額表甲欄の適用」となりその他の会社では「税額表乙欄が適用」の給与報酬となっており確定申告が必要となります。

(4)経営者(または役員)が、同族会社の役員やその親族で、その同族会社からの給与のほかに、貸付金の利子、店舗などの賃貸料、機械などの使用料などの収入を受けている場合が該当します。

■経営者と同族会社の利益関係

経営者のリスクとしては、同族会社との利益関係についての注意が必要になってきます。

① 経営者の貸付金について
経営者は、同族会社との間の取引において、会社に対する貸付金は、会社側が役員の借入金として利息を受け取った場合には、「雑所得」としての扱いになる為に、確定申告を行う必要があります。基本的に20万円以下の収入は確定申告を行わなくても良いのですが、同族会社は例外となる為に確定申告を必要としています。

②経営者が行っている、賃貸料や使用料について
経営者が個人の建物などを貸し付けて賃料を得ている場合は、不動産所得になり、所有している機械や器具の使用料も同族会社の取引として20万円以下の収入であっても確定申告の必要があります。

③配当金の扱い
経営者の配当金について、上場会社の場合は所得税7%と地方税3%が税金となります。対して、非上場会社の場合は、所得税20%として確定申告にて税金を納めることになります。

◎確定申告不要制度の対象となる場合とは、
「確定申告不要制度」があり、配当所得のうち一定のものは納税者の判断により確定申告不要制度が可能です。

・上場株式等の配当等の場合は、大口の株主以外の配当では確定申告の必要がないです。
・上場株式等以外の配当等の場合は、1銘柄につき1回の配当等の金額が、「10万円×配当計算期間の月数÷12」以下である場合に該当すると確定申告の必要がないです。

■まとめ

経営者や会社役員でも確定申告が必要なくても、確定申告を行った場合に還付金の支払いを受けることがあります。

経営者や会社役員がマイホームの新築や購入又は増改築等をし、住宅ローンを、一定の要件を満たす場合には、年末残高から計算した金額の税額控除を受けることが出来るのです。

「雑損控除」として災害や盗難などで損害を受けた場合には、一定の金額の所得控除が可能になったりしますので、経営者の確定申告にもメリットはあるのです。