経営者や後継者を悩ます事業承継における深刻な課題とは?

事業承継・相続

事業承継は、企業経営の継続にとって大変重要なことですが様々な課題があり、時に事業承継の妨げとなる場合があります。事業承継における課題について見てみましょう。

【後継者不足】
事業承継における深刻な課題の一つと言えるのが、後継者不足です。事業承継を望んでいる経営者のうち、既に次の後継者として候補者が決定している企業は、全体の4割程度に過ぎず、多くの企業は後継者が決まっていないという現状です。
このような後継者不足は特に中小企業に多くその原因は、単に少子化で事業を承継する後継者がいないという問題だけではありません。
大企業とは異なり中小企業の多くの経営者は主要株主も兼ねているため、経営と所有の分離が行われていないことや、金融機関からの借入の際個人保証が必要となるケースが多いなどが、第三者に事業を承継をする際の妨げになっているのです。

【後継者が決まっていても課題が残る】
もし、現時点で後継者が決まっていても様々な課題があります。後継者が決まっている場合でも、後継者教育や、研修、経営に必要な知識を取得する、取引先や従業員への挨拶回り、など後継者の教育や、周囲への理解を得るための努力を行っている企業は多いが、税金の対策についてはどうでしょうか?
相続税などの問題は、現経営者が元気なうちは後継者から話をしづらい、経営者も現実的な問題として捉えていない、というケースが多く準備をしていない企業が多いのです。
しかし、税金に関する問題は専門的知識が必要であり、また短期間で解決できる問題でもなく、場合によっては紛争に発展するケースもあるため、早めに準備をしておく必要があります。
また、経営権の譲渡などで実際に必要となる資金や、税金についてはどれくらいかかるのかを現経営者から後継者に伝えておく必要があります。

【M&Aによる課題】
後継者がいない企業においては、外部から後継者を探す、従業員の中から後継者を探す、事業を売却するなどの方法があります。
中でも近年多いのが、M&Aによる承継ですが、ここにもいくつか課題はあります。M&Aによる事業売却を考える場合、すぐに自分が思う条件で買い手が見つかるとは限らない、交渉が難航する場合もある、経営者が高齢になるほど自社の売却に抵抗を感じるケースが多いというリスクがあります。

【まとめ】
事業承継には、このように様々な課題があります。準備期間も含めて事業承継の数年前までには後継者を決定しておく必要があるでしょう。